【心療内科について】
1.心療内科と心身症
ストレス社会といわれる現代、身体だけでなく心理社会的要因すなわち”ストレス”を含め、心身両面から治療を行うことの重要性がさけばれています。
心療内科は、「心理療法内科」を語源とする内科の一分野で、主にストレスと関連した内科疾患、身体症状および心理変化を対象に、薬物療法のみならず、心理療法も扱うことができる内科です。
ストレス関連性の内科疾患の例として、
- 緊張型頭痛
- 片頭痛
- 気管支喘息
- 甲状腺機能異常
- 不整脈
- 高血圧
- 脂質異常症
- 糖尿病
- 逆流性食道炎
- 胃十二指腸潰瘍
- 機能性胃腸症
- 過敏性腸症候群
などが挙げられますが、これら疾患の発症や経過にストレスが強く関与している場合、その病態を心身症と呼びます。
2.心療内科の治療対象
心療内科は、これら心身症の診断・治療を専門としますが、
- 日常生活における気分の沈み
- 不安・緊張などの心理的変化や、それらと関連した不眠
- 微熱
- めまい
- 立ち眩み
- 味覚異常
- 疼痛
- 動悸
- 息切れ
- 手足の震え
- 肩こり(筋緊張)
- 食欲低下などの身体症状を含む、
- ストレス関連症状
も治療対象としています。
3.診察について
当院では、心理社会的背景を含めた問診に加え、必要に応じて一般的な内科診察、採血・採尿、心電図、超音波検査や心理テストも実施して、包括的な全人的評価を行います。
診察の結果、治療が必要と判断された場合は、診断根拠を患者さんに説明し、治療の選択を一緒に考えます。
4.治療について
薬物療法では、一般的な内科薬のみならず、睡眠薬、抗不安薬および抗うつ薬などの向精神薬や漢方薬も、病態に応じて使い分けます。
効果や副作用、薬物の使用期間や増量・減量について丁寧な説明を心がけ、薬剤による副作用が出ないか、定期的な採血・採尿検査も実施しています。
心理療法については、予約時間(再診10分/人)の中で、必要に応じて、認知療法、行動療法、認知行動療法、解決志向型アプローチなどを併用しておりますが、当院にはカウンセラーがおりませんので、十分な時間が必要な場合には、外部カウンセリングルームを紹介させていただきます。
また、セルフコントロールのためのリラクセーションも随時指導しております。
心身症やストレス関連症状の緩和だけでなく、入学試験や資格試験、採用面接時に緊張しやすい方にも指導しておりますので、リラクセーション指導を希望される方は、どうぞお気軽にご相談下さい。
これらの治療を組み合わせ、自身の体調やストレス状況を客観的にとらえ、必要に応じてそれに対処できるようになることを一緒に考えていきます。
すなわち、気づきとセルフコントロールによる自身の自己効力感および自己肯定感を回復こそが、心療内科における治療の最終目標となります。
5.心療内科専門医について (日本心療内科学会ホームページより抜粋)
心療内科医は、きちんと身体を診ることができる内科医であり、心身医療の専門家であることが重要です。
本学会では、心身医学を学び、内科だけでなくさまざまな領域で心身医療を実践している医師・歯科医師を登録意として認定しています。
また、登録医の中でも、特に心療内科学の発展に貢献し、心身症の医療技術に優れ、治療経験が豊富な登録医を「登録指導医」とし、更に高度な知識と医療技術を習得していると認めた内科医を心療内科専門医として認定しています。
心療内科専門医は全国でも数が少なく、2025年1月1日時点で、全国に104名、神奈川県に6名ですが、当院院長は、日本心療内科学会登録指導医および心療内科専門医を取得しています。
心療内科について更に詳しく知りたい方は、日本心療内科学会ホームページ内「一般の皆様へ」をご覧ください。